効能効果 | - 非オピオイド鎮痛剤及び弱オピオイド鎮痛剤で治療困難な下記疾患における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る)
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用法用量 | - 本剤は、オピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する。通常、成人に対し胸部、腹部、上腕部、大腿部等に貼付し、3日毎(約72時間)に貼り替えて使用する。
初回貼付用量は本剤投与前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法・用量を勘案して、1.38mg(12.5μg/hr)、2.75mg(25μg/hr)、5.5mg(50μg/hr)、8.25mg(75μg/hr)のいずれかの用量を選択する。 その後の貼付用量は患者の症状や状態により適宜増減する。
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効能効果に関連する使用上の注意 | - 本剤は、他のオピオイド鎮痛剤が一定期間投与され、忍容性が確認された患者で、かつオピオイド鎮痛剤の継続的な投与を必要とするがん疼痛の管理にのみ使用すること。
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用法用量に関連する使用上の注意 | - 初回貼付用量
- 初回貼付用量として、本剤11mg(100μg/hr)は推奨されない。本邦において、初回貼付用量として8.25mg(75μg/hr)を超える使用経験はない。
初回貼付用量を選択する下記換算表は、経口モルヒネ量90mg/日(注射の場合30mg/日)、経口オキシコドン量60mg/日(注射の場合30mg/日)、フェンタニル又はフェンタニルクエン酸塩経皮吸収型製剤の場合、フェンタニル量として0.6mg/日(25μg/hr)、フェンタニル注射剤0.5mg/日に対して本剤2.75mg(フェンタニル0.6mg/日;25μg/hr)へ切り替えるものとして設定している。なお、初回貼付用量は換算表に基づく適切な用量を選択し、過量投与にならないよう注意すること。
- 初回貼付時
- 他のオピオイド鎮痛剤から本剤に初めて切り替えた場合、初回貼付24時間後までフェンタニルの血中濃度が徐々に上昇するため、鎮痛効果が得られるまで時間を要する。そのため、下記の使用方法例を参考に、切替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤の投与を行うことが望ましい。
- 患者により上記の使用方法例では、十分な鎮痛効果が得られない場合がある。患者の状態を観察し、本剤の鎮痛効果が得られるまで、適時オピオイド鎮痛剤の追加投与(レスキュー)により鎮痛をはかること。1回の追加投与(レスキュー)量として、本剤の切替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤が経口剤の場合は1日投与量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安として投与すること。この場合、速効性のオピオイド鎮痛剤を使用することが望ましい。
- 用量調整と維持
- 疼痛増強時における処置
- 本剤貼付中に痛みが増強した場合や疼痛が管理されている患者で突出痛(一時的にあらわれる強い痛み)が発現した場合には、直ちにオピオイド鎮痛剤の追加投与(レスキュー)により鎮痛をはかること。1回の追加投与(レスキュー)量として、本剤の切替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤が経口剤の場合は1日投与量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安として投与すること。この場合、速効性のオピオイド鎮痛剤を使用することが望ましい。
- 増量
- 鎮痛効果が得られるまで患者毎に用量調整を行うこと。鎮痛効果が十分得られない場合は、追加投与(レスキュー)されたオピオイド鎮痛剤の1日投与量及び疼痛程度を考慮し、1.38mg(12.5μg/hr)及び2.75mg(25μg/hr)から増量する場合は1.38mg(12.5μg/hr)とし、それ以上の貼付用量の場合は25〜50%を目安として貼替え時に増量する。なお、本剤の1回の貼付用量が33mg(300μg/hr)を超える場合は、他の方法を考慮すること。
- 減量
- 連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと。副作用等により減量する場合は、十分に観察を行いながら慎重に減量すること。
- 使用の中止
- 本剤の使用を必要としなくなった場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること。
- 本剤の使用を中止し、他のオピオイド鎮痛剤に変更する場合は、本剤剥離後の血中フェンタニル濃度が50%に減少するのに17時間以上かかることから、他のオピオイド鎮痛剤の投与は低用量から開始し、患者の状態を観察しながら適切な鎮痛効果が得られるまで漸増すること。
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