効能効果 | - シスプラチン通常療法
- 睾丸腫瘍、膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍、前立腺癌、卵巣癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、食道癌、子宮頸癌、神経芽細胞腫、胃癌、小細胞肺癌、骨肉腫、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)、悪性胸膜中皮腫、胆道癌
- 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
- 悪性骨腫瘍、子宮体癌(術後化学療法、転移・再発時化学療法)、再発・難治性悪性リンパ腫、小児悪性固形腫瘍(横紋筋肉腫、神経芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、髄芽腫等)
- M-VAC療法
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用法用量 | - シスプラチン通常療法
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- 睾丸腫瘍、膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍、前立腺癌には、A法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりC法を選択する。
- 卵巣癌には、B法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりA法、C法を選択する。
- 頭頸部癌には、D法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりB法を選択する。
- 非小細胞肺癌には、E法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりF法を選択する。
- 食道癌には、B法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりA法を選択する。
- 子宮頸癌には、A法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりE法を選択する。
- 神経芽細胞腫、胃癌、小細胞肺癌には、E法を選択する。
- 骨肉腫には、G法を選択する。
- 胚細胞腫瘍には、確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法として、F法を選択する。
- 悪性胸膜中皮腫には、ペメトレキセドとの併用療法として、H法を選択する。
- 胆道癌には、ゲムシタビン塩酸塩との併用療法として、I法を選択する。
- A法シスプラチンとして15〜20mg/m22(体表面積)を1日1回、5日間連続投与し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- B法シスプラチンとして50〜70mg/m22(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- C法シスプラチンとして25〜35mg/m22(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも1週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- D法シスプラチンとして10〜20mg/m22(体表面積)を1日1回、5日間連続投与し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- E法シスプラチンとして70〜90mg/m22(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- F法シスプラチンとして20mg/m22(体表面積)を1日1回、5日間連続投与し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- G法シスプラチンとして100mg/m22(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- なお、A〜G法の投与量は疾患、症状により適宜増減する。
- H法シスプラチンとして75mg/m22(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも20日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- I法シスプラチンとして25mg/m22(体表面積)を60分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
- なお、I法の投与量は患者の状態により適宜減量する。
- 以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
- 悪性骨腫瘍の場合ドキソルビシン塩酸塩との併用において、シスプラチンの投与量及び投与方法は、シスプラチンとして100mg/m22(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。本剤単剤では、G法を選択する。
なお、投与量は症状により適宜減量する。 - 子宮体癌の場合ドキソルビシン塩酸塩との併用において、シスプラチンの投与量及び投与方法は、シスプラチンとして50mg/m22(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は症状により適宜減量する。 - 再発・難治性悪性リンパ腫の場合他の抗悪性腫瘍剤との併用において、シスプラチンの投与量及び投与方法は、1日量100mg/m22(体表面積)を1日間持続静注し、少なくとも20日間休薬し、これを1クールとして投与を繰り返す。または1日量25mg/m22(体表面積)を4日間連続持続静注し、少なくとも17日間休薬し、これを1クールとして投与を繰り返す。
なお、投与量及び投与日数は症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。 - 小児悪性固形腫瘍(横紋筋肉腫、神経芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、髄芽腫等)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合他の抗悪性腫瘍剤との併用において、シスプラチンの投与量及び投与方法は、シスプラチンとして60〜100mg/m22(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
もしくは、他の抗悪性腫瘍剤との併用において、シスプラチンの投与量及び投与方法は、シスプラチンとして20mg/m22(体表面積)を1日1回、5日間連続投与し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。 なお、投与量及び投与日数は疾患、症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。
- M-VAC療法
- メトトレキサート、ビンブラスチン硫酸塩及びドキソルビシン塩酸塩との併用において、通常、シスプラチンとして成人1回70mg/m22(体表面積)を静注する。
標準的な投与量及び投与方法は、メトトレキサート30mg/m22を1日目に投与した後に、2日目にビンブラスチン硫酸塩3mg/m22、ドキソルビシン塩酸塩30mg(力価)/m22及びシスプラチン70mg/m22を静注する。15日目及び22日目にメトトレキサート30mg/m22及びビンブラスチン硫酸塩3mg/m22を静注する。これを1コースとし、4週毎に繰り返す。
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効能効果に関連する使用上の注意 | - シスプラチン通常療法
- 胆道癌での本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
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用法用量に関連する使用上の注意 | - シスプラチン通常療法
- 本剤の投与時には腎毒性を軽減するために下記の処置を行うこと。
- 成人の場合
- 本剤投与前、1,000〜2,000mLの適当な輸液を4時間以上かけて投与する。
- 本剤投与時、投与量に応じて500〜1,000mLの生理食塩液又はブドウ糖−食塩液に混和し、2時間以上かけて点滴静注する。なお、点滴時間が長時間に及ぶ場合には遮光して投与すること。
- 本剤投与終了後、1,000〜2,000mLの適当な輸液を4時間以上かけて投与する。
- 本剤投与中は、尿量確保に注意し、必要に応じてマンニトール及びフロセミド等の利尿剤を投与すること。
- なお、上記の処置よりも少量かつ短時間の補液法(ショートハイドレーション法)については、最新の「がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン」等を参考にし、ショートハイドレーション法が適用可能と考えられる患者にのみ実施すること。
- 小児の場合
- 本剤投与前、300〜900mL/m22(体表面積)の適当な輸液を2時間以上かけて投与する。
- 本剤投与時、投与量に応じて300〜900mL/m22(体表面積)の生理食塩液又はブドウ糖−食塩液に混和し、2時間以上かけて点滴静注する。なお、点滴時間が長時間に及ぶ場合には遮光して投与すること。
- 本剤投与終了後、600mL/m22(体表面積)以上の適当な輸液を3時間以上かけて投与する。
- 本剤投与中は、尿量確保に注意し、必要に応じてマンニトール及びフロセミド等の利尿剤を投与すること。
- 胚細胞腫瘍に対する確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法(BEP療法(ブレオマイシン塩酸塩、エトポシド、シスプラチン併用療法))においては、併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 再発又は難治性の胚細胞腫瘍に対する確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法(VeIP療法(ビンブラスチン硫酸塩、イホスファミド、シスプラチン併用療法))においては、併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 再発・難治性悪性リンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、関連文献(「抗がん剤報告書:シスプラチン(悪性リンパ腫)」等)及び併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 小児悪性固形腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、関連文献(「抗がん剤報告書:シスプラチン(小児悪性固形腫瘍)」等)及び併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 悪性胸膜中皮腫に対するペメトレキセドとの併用療法においては、ペメトレキセドの添付文書を熟読すること。
- M-VAC療法
- シスプラチンの投与時には腎毒性を軽減するために、シスプラチン通常療法の<用法・用量に関連する使用上の注意>の(1)に準じた処置を行うこと。
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