効能効果 | - ○既存治療で効果不十分な下記疾患
- 関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎、成人スチル病
- ○キャッスルマン病に伴う諸症状及び検査所見(C反応性タンパク高値、フィブリノーゲン高値、赤血球沈降速度亢進、ヘモグロビン低値、アルブミン低値、全身倦怠感)の改善。ただし、リンパ節の摘除が適応とならない患者に限る。
- ○悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群
- ○SARS-CoV-2による肺炎(ただし、酸素投与を要する患者に限る)
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用法用量 | - <関節リウマチ及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
- 通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kgを4週間隔で点滴静注する。
- <全身型若年性特発性関節炎、成人スチル病及びキャッスルマン病>
- 通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kgを2週間隔で点滴静注する。なお、症状により1週間まで投与間隔を短縮できる。
- <悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群>
- 通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)として体重30kg以上は1回8mg/kg、体重30kg未満は1回12mg/kgを点滴静注する。
- <SARS-CoV-2による肺炎>
- 通常、成人には、副腎皮質ステロイド薬との併用において、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kgを点滴静注する。症状が改善しない場合には、初回投与終了から8時間以上の間隔をあけて、トシリズマブ(遺伝子組換え)として8mg/kgを1回追加投与できる。
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効能効果に関連する使用上の注意 | - <関節リウマチ及び多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
- 5.15.1 過去の治療において、少なくとも1剤の抗リウマチ薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に投与すること。[1.4参照]
- <全身型若年性特発性関節炎及び成人スチル病>
- 5.25.2 過去の治療において、副腎皮質ステロイド薬による適切な治療を行っても、効果不十分な場合に投与すること。
- 5.35.3 重篤な合併症としてマクロファージ活性化症候群(MAS)を発症することがある。MASを合併している患者ではMASに対する治療を優先させ本剤の投与を開始しないこと。また、本剤投与中にMASが発現した場合は、投与を中止し、速やかにMASに対する適切な治療を行うこと。
- <悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群>
- 5.4 本剤の投与にあたっては、学会のガイドライン等の最新の情報を参考に適応患者を選択し、その他の対症療法の実施とともに使用すること。
- <SARS-CoV-2による肺炎>
- 5.55.5 酸素投与、人工呼吸器管理又は体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行うこと。
- 5.65.6 海外医師主導臨床試験は室内気SpO22が92%未満又は酸素投与中でCRP値7.5mg/dL以上のSARS-CoV-2による肺炎患者を対象として実施され、副腎皮質ステロイド薬併用下で本剤の有効性が確認されている。当該試験の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
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用法用量に関連する使用上の注意 | - <効能共通>
- 7.17.1 血清中トシリズマブ濃度が維持されない状態で投与を継続すると、抗トシリズマブ抗体が発現する可能性が高くなるため、用法・用量を遵守すること。
- 7.27.2 本剤と他の抗リウマチ生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。
- <全身型若年性特発性関節炎及び成人スチル病>
- 7.37.3 症状改善が不十分であり、かつC反応性タンパク(CRP)を指標としてIL-6作用の抑制効果が不十分と判断される場合に限り、投与間隔を短縮できる。
- <キャッスルマン病>
- 7.47.4 投与毎にCRPを測定し、症状改善が不十分と判断される場合に限り、CRPを指標として投与間隔を短縮できる。
- <SARS-CoV-2による肺炎>
- 7.57.5 海外医師主導臨床試験では副腎皮質ステロイド薬を併用していない患者において本剤投与により全死亡割合が高くなる傾向が認められた。
- 7.67.6 バリシチニブとの併用について、有効性及び安全性は確立していない。
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