用法用量 | - <造血幹細胞の末梢血中への動員>
- 6.1 同種及び自家末梢血幹細胞採取時のフィルグラスチム(遺伝子組換え)単独投与による動員
- 通常、成人、小児ともに、フィルグラスチム(遺伝子組換え)400μg/m22を1日1回又は2回に分割し、5日間連日又は末梢血幹細胞採取終了時まで連日皮下投与する。この場合、末梢血幹細胞採取はフィルグラスチム(遺伝子組換え)投与開始後4〜6日目に施行する。
ただし、末梢血幹細胞採取終了前に白血球数が50,000/mm33以上に増加した場合は減量する。減量後、白血球数が75,000/mm33に達した場合は投与を中止する。 なお、状態に応じて適宜減量する。
- 6.2 自家末梢血幹細胞採取時のがん化学療法剤投与終了後のフィルグラスチム(遺伝子組換え)投与による動員
- 通常、成人、小児ともに、がん化学療法剤投与終了翌日又はがん化学療法により好中球数が最低値を経過後、フィルグラスチム(遺伝子組換え)400μg/m22を1日1回又は2回に分割し、末梢血幹細胞採取終了時まで連日皮下投与する。
ただし、末梢血幹細胞採取終了前に白血球数が50,000/mm33以上に増加した場合は減量する。減量後、白血球数が75,000/mm33に達した場合は投与を中止する。 なお、状態に応じて適宜減量する。
- <造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進>
- 6.36.3 通常、成人、小児ともに、造血幹細胞移植施行翌日ないし5日後からフィルグラスチム(遺伝子組換え)300μg/m22を1日1回点滴静注する。
ただし、好中球数が5,000/mm33以上に増加した場合は、症状を観察しながら投与を中止する。 なお、本剤投与の中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。
- <がん化学療法による好中球減少症>
- 6.4 急性白血病
- 通常、成人、小児ともに、がん化学療法剤投与終了後(翌日以降)で骨髄中の芽球が十分減少し末梢血液中に芽球が認められない時点から、フィルグラスチム(遺伝子組換え)200μg/m22を1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。出血傾向等の問題がない場合はフィルグラスチム(遺伝子組換え)100μg/m22を1日1回皮下投与する。
ただし、好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm33に達した場合は投与を中止する。 なお、本剤投与の開始時期及び中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。
- 6.5 悪性リンパ腫、小細胞肺癌、胚細胞腫瘍(睾丸腫瘍、卵巣腫瘍など)、神経芽細胞腫、小児がん
- 通常、成人、小児ともに、がん化学療法剤投与終了後(翌日以降)から、フィルグラスチム(遺伝子組換え)50μg/m22を1日1回皮下投与する。出血傾向等により皮下投与が困難な場合はフィルグラスチム(遺伝子組換え)100μg/m22を1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。
ただし、好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm33に達した場合は投与を中止する。 なお、本剤投与の開始時期及び中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。
- 6.6 その他のがん腫
- 通常、成人、小児ともに、がん化学療法により好中球数1,000/mm33未満で発熱(原則として38℃以上)あるいは好中球数500/mm33未満が観察された時点から、フィルグラスチム(遺伝子組換え)50μg/m22を1日1回皮下投与する。出血傾向等により皮下投与が困難な場合はフィルグラスチム(遺伝子組換え)100μg/m22を1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。
また、がん化学療法により好中球数1,000/mm33未満で発熱(原則として38℃以上)あるいは好中球数500/mm33未満が観察され、引き続き同一のがん化学療法を施行する症例に対しては、次回以降のがん化学療法施行時には好中球数1,000/mm33未満が観察された時点から、フィルグラスチム(遺伝子組換え)50μg/m22を1日1回皮下投与する。出血傾向等により皮下投与が困難な場合はフィルグラスチム(遺伝子組換え)100μg/m22を1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。 ただし、好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm33に達した場合は投与を中止する。 なお、本剤投与の開始時期及び中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。
- <ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療に支障を来す好中球減少症>
- 6.76.7 通常、成人には好中球数が1,000/mm33未満のとき、フィルグラスチム(遺伝子組換え)200μg/m22を1日1回点滴静注する。小児には好中球数が1,000/mm33未満のとき、フィルグラスチム(遺伝子組換え)200μg/m22を1日1回点滴静注する。
ただし、投与期間は2週間を目安とするが、好中球数が3,000/mm33以上に増加した場合は、症状を観察しながら減量、あるいは投与を中止する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。
- <骨髄異形成症候群に伴う好中球減少症>
- 6.86.8 通常、成人には好中球数が1,000/mm33未満のとき、フィルグラスチム(遺伝子組換え)100μg/m22を1日1回点滴静注する。
ただし、好中球数が5,000/mm33以上に増加した場合は、症状を観察しながら減量、あるいは投与を中止する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。
- <再生不良性貧血に伴う好中球減少症>
- 6.96.9 通常、成人には好中球数が1,000/mm33未満のとき、フィルグラスチム(遺伝子組換え)400μg/m22を1日1回点滴静注する。小児には好中球数が1,000/mm33未満のとき、フィルグラスチム(遺伝子組換え)400μg/m22を1日1回点滴静注する。
ただし、好中球数が5,000/mm33以上に増加した場合は、症状を観察しながら減量、あるいは投与を中止する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。
- <先天性・特発性好中球減少症>
- 6.106.10 通常、成人には好中球数が1,000/mm33未満のとき、フィルグラスチム(遺伝子組換え)50μg/m22を1日1回皮下投与する。小児には好中球数が1,000/mm33未満のとき、フィルグラスチム(遺伝子組換え)50μg/m22を1日1回皮下投与する。
ただし、好中球数が5,000/mm33以上に増加した場合は、症状を観察しながら減量、あるいは投与を中止する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。
- <神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強>
- 6.116.11 ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)及びテセロイキン(遺伝子組換え)との併用において、通常、フィルグラスチム(遺伝子組換え)として1日1回5μg/kg(体重)を皮下投与する。28日間を1サイクルとし、1、3、5サイクルの1〜14日目に投与する。
ただし、白血球数が50,000/mm33以上に増加した場合は休薬する。 なお、状態に応じて適宜減量する。
- <再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法>
- 6.126.12 通常、フィルグラスチム(遺伝子組換え)1日1回300μg/m22を、フルダラビン、シタラビン等の抗悪性腫瘍剤併用化学療法の開始前日から併用化学療法終了日まで(通常5〜6日間)連日皮下又は静脈内投与(点滴静注を含む)する。
なお、状態に応じて適宜減量する。
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用法用量に関連する使用上の注意 | - <造血幹細胞の末梢血中への動員>
- 7.17.1 自家末梢血幹細胞採取時のがん化学療法剤投与終了後の本剤投与により造血幹細胞を採取する場合、白血球数が最低値を経過後5,000〜10,000/mm33以上への回復期に末梢血幹細胞採取を開始することが望ましい。
- <がん化学療法による好中球減少症>
- 7.27.2 がん化学療法剤の投与前24時間以内及び投与終了後24時間以内の本剤の投与は避けること。
- 7.37.3 その他のがん腫に対する用法・用量における同一のがん化学療法とは、抗悪性腫瘍薬の種類及びその用量も同一の化学療法レジメンである。
- 7.47.4 本剤の投与により、好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm33に達した場合は投与を中止するが、好中球数が2,000/mm33以上に回復し、感染症が疑われるような症状がなく、本剤に対する反応性から患者の安全が確保できると判断した場合には、本剤の減量あるいは中止を検討すること。
- <HIV感染症の治療に支障を来す好中球減少症>
- 7.57.5 投与期間は2週間を目安とし、さらに継続投与が必要な場合でも6週間を限度とする。本剤を6週間を超えて投与した場合の安全性は確立していない。また、本剤を1週間以上投与しても好中球数の増加がみられない場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.13参照]
- <神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強>
- 7.67.6 本剤の投与により、白血球数が50,000/mm33以上に増加した場合は休薬し、その後白血球数が20,000/mm33以下になった場合、本剤を減量して投与再開を検討すること。
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