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国立保健医療科学院
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臨床研究実施計画番号 jRCTs031190129

最終情報更新日:2024年1月12日

登録日:2019年11月5日

JCOG1806: 薬物療法により臨床的完全奏効が得られたHER2陽性原発乳癌に対する非切除療法の有用性に関する単群検証的試験

基本情報

進捗状況 参加者募集終了-試験継続中
対象疾患c T1-2N0M0 HER2陽性原発性乳癌
試験開始日(予定日)2019-11-05
目標症例数350
臨床研究実施国日本
研究のタイプ介入研究
介入の内容抗HER2療法および化学療法による薬物療法を施行、臨床的完全奏効が得られたcT1-2N0M0 HER2陽性原発性乳癌に対する非切除及び乳房照射を行う 初期薬物療法 1)AC/EC療法+THP療法 AC/EC療法(アンスラサイクリン系薬剤※1+シクロフォスファミド)後にTHP療法(タキサン系薬剤※2+HP療法(トラスツズマブ+ペルツズマブ))を逐次併用する治療 ※1 アンスラサイクリン系薬剤:ドキソルビシンまたはエピルビシン ※2 タキサン系薬剤:ドセタキセルまたはパクリタキセル AC/EC療法は3週1コースとして、3コースまたは4コース行う。 THP療法は3週1コースとして3コースまたは4コース行う。 2)TCHP療法 ドセタキセル+カルボプラチン+トラスツズマブ+ペルツズマブを同時併用する治療 3週1コースとして5コースまたは6コース行う。 3)PacHP療法 パクリタキセル+トラスツズマブ+ペルツズマブを同時併用する治療 3週1コースとして3コースまたは4コース行う。 追加HP療法+放射線療法±内分泌療法 初期薬物療法後の効果判定にて臨床的完全奏効(cCR)と判定された患者に対し追加HP療法(トラスツズマブ+ペルツズマブ(HP療法))と放射線療法を併用する。 1)追加HP療法 初期薬物療法終了後にHP療法を3週1コースとして初期薬物療法を含めて計18コース行う。 2)放射線療法 全乳房照射:総線量50 Gy/25回、または42.56 Gy/16回 ブースト照射:腫瘍床に対する16 Gy/8回 3)内分泌療法 免疫染色検査によりER陽性、PgR陽性のいずれか一方でも満たす患者には、閉経状況に応じて以下の内分泌療法を5年間施行する。 A)タモキシフェン+LH-RH agonist※ ※LH-RH agonist:ゴセレリンもしくはリュープロレリン B)タモキシフェン C)アロマターゼ阻害剤※ ※アナストロゾールまたはレトロゾールまたはエキセメスタン 手術療法 初期薬物療法後の効果判定にてcCRに該当せず、かつ初期薬物療法中に増悪していない場合は手術療法を行う。乳房手術として乳房温存手術または乳房全切除術を、腋窩リンパ節に対してセンチネルリンパ節生検または腋窩リンパ節郭清を行う。

試験の内容

主要評価項目3年無遠隔転移生存割合
副次評価項目無遠隔転移生存期間、全生存期間、無再発生存期間、無患側乳房手術生存期間、局所再発発生割合、整容性維持割合、有害事象(有害反応)発生割合、非完全奏効(non-CR)一致割合

対象疾患

年齢(下限)20歳以上
年齢(上限)74歳以下
性別
選択基準(1)組織学的に乳癌(浸潤癌)と診断されている。 (2)組織学的に以下のすべてを満たす。 ① IHC 法により エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体の発現が調べられている。 ②HER2陽性である(HER2陽性の定義:IHC 3+またはISH増幅あり(ISH 2.0倍以上、ISH 2.0倍未満かつ平均HER2コピー数6.0倍以上、ISHの単一プローベ法で平均HER2コピー数6.0倍以上))。 ※検体が複数ある場合は、適格規準1)、2)の両方を満たす検体のうち、最新の検体の組織学的検査結果を用いる。 (3)原発巣について、乳房超音波検査、乳房造影MRI(単純MRIは不可)にて、以下のすべてを満たす。 ①各モダリティで計測した腫瘍径がいずれも5.0 cm以下。 ②同側乳房に多発病変がない。 (4)乳房超音波検査にて、所属リンパ節に転移がないと判断される。なお、リンパ節転移を疑う所見(例:中心リンパ節門の消失、偏在性の皮質肥大や周囲組織への浸潤所見)を認めた場合は、細胞診または組織診により、所属リンパ節に転移がないことを確認すること。 (5)以下の検査により各臓器に遠隔転移がないことが確認されている。 ①胸部:胸部造影CT※またはFDG-PET/CTまたはFDG-PET/MRI ②腹部:腹部造影CT※またはFDG-PET/CTまたはFDG-PET/MRI ③骨:骨シンチグラフィまたはFDG-PET/CTまたはFDG-PET/MRI ④脳:中枢神経症状がない場合には脳転移の検査は必須としない。中枢神経症状がある場合は造影CT※または造影MRIにて転移がないことを確認する。 ※CT造影剤に対するアレルギー、気管支喘息、腎機能障害が原因で造影CTが不可能な場合は単純CTも許容する。 (6)異時性、同時性を問わず両側乳癌※ではない。 ※原発巣の対側乳房に非浸潤性乳管癌(ductal carcinoma in situ:DCIS)が存在する場合にも、両側乳癌として不適格とする。 (7)登録日の年齢が20歳以上、74歳以下の女性。 (8)Performance status(PS)はECOGの規準で0または1(PSは必ず診療録に記載すること)。 (9)測定可能病変の有無は問わない。 (10)前治療について、以下のすべてを満たす。 ①他のがん種に対して、5年以内に抗がん薬(免疫チェックポイント阻害薬、分子標的治療薬なども抗がん薬に含む)の既往がない(術後補助化学療法としての薬物療法は、最終投与から5年以上経過している場合は許容する)。 ②他のがん種に対する治療も含めて放射線治療の既往がある場合、同側乳房、胸部(肺・肺門・縦隔)が照射野に含まれていない。 ③乳がんに対する治療を目的とした抗がん薬治療や内分泌療法、手術の既往がない。ただし、更年期症状緩和目的の内分泌療法や診断目的の外科的生検・センチネルリンパ節生検の既往はあってもよい。 (11)既往疾患・併存疾患について、以下のすべてを満たす。 ①非浸潤性乳癌、浸潤性乳癌いずれの既往もない。 ②活動性の強皮症や全身性エリテマトーデスを合併していない。 ③Li Fraumeni症候群と診断されていない(TP53遺伝子検査は必須としない)。 (12)BRCA陽性が確認されていない(BRCA検査は必須とはしない)。 (13)仰臥位にて両側上肢が挙上可能である。 (14)登録前28日以内の検査値(登録日の4週間前の同一曜日は可)が、以下のすべてを満たす。 ①好中球数≧1,500 /mm3 ②ヘモグロビン≧9.0 g/dL(登録に用いた検査の採血日前14日以内に輸血を行っていないこと) ③血小板数≧100,000 /mm3 ④総ビリルビン≦1.5 mg/dL ⑤AST≦100 U/L ⑥ALT≦100 U/L ⑦血清クレアチニン≦1.2 mg/dL (15)最新の心臓超音波検査にて左室駆出率が50%以上。 (16)試験参加について患者本人から文書で同意が得られている。
除外基準(1)活動性の重複がんを有する(同時性重複がん/多発がんおよび無病期間が5年以内の異時性重複がん/多発がん。 (2)ガドリニウム造影剤に対する過敏症の既往、閉所恐怖症、金属製器機の埋込みがあり造影MRIが実施できない。 (3)全身的治療を要する感染症を有する。 (4)登録時に38.0℃以上の発熱を有する。 (5)妊娠中、妊娠の可能性がある、産後28日以内、授乳中、のいずれかに該当する女性。 (6)日常生活に支障をきたす精神疾患または精神症状を合併しており試験への参加が困難と判断される。 (7)ステロイド薬またはその他の免疫抑制薬の継続的な全身投与(内服または静脈内)を受けている。 (8)コントロール不良の糖尿病を合併している。 (9)コントロール不良の高血圧症を合併している。 (10)不安定狭心症(最近3週間以内に発症または発作が増悪している狭心症)を合併、または6か月以内の心筋梗塞の既往を有する。 (11)New York Heart Association(NYHA)分類のII度以上に合致するうっ血性心不全、コントロール不良の、心臓弁膜症、拡張型心筋症、肥大型心筋症を有する。 (12)治療を要する臨床上重大な不整脈(心房細動及び発作性上室性頻脈を除く)の既往歴を有する、または合併している。 (13)胸部CTにて診断される、間質性肺炎、肺線維症、高度の肺気腫のいずれか、もしくは複数を合併している。 (14)HBs抗原陽性である。

保険外併用療養費

保険外併用療養費の有無なし

関連情報

問い合わせ窓口

担当者仁志 美穂
所属機関群馬県立がんセンター
所属部署臨床試験支援室
郵便番号373-8550
住所群馬県太田市高林西町617-1
電話0276-38-0771
FAX0276-49-8105
E-mail breastdma@gunma-cc.jp

※実施責任組織と研究実施場所が異なる場合があります。
詳しくは各お問い合わせ窓口の担当にお伺い下さい。